ぼくのスピリチュアル物語 22 「志」


昨夜、仕事上でちょっとしたトラブルがあり、スタッフとやりあってしまい、売り言葉を買ってしまった自分を反省しつつ、いまこれを書いている。昨日の日記で心を常に平安にすることが重要と書いたばかりなのに、油断をしているとつい強い周波数に巻き込まれて瞬時に変わってしまう浮き世の現実である。とほほ…。

そんなぼくに比べて、黒住さんの志は実にバカでかく、足下にも及ばない。

(「黒住さんからの霊界通信、4通目(1985.1.14)」より)
「私は生命の金字塔を立てたくて連絡をとったのである。
高い霊はすべて伝えたく思っている。
それは高級霊としての当然の魂の動きであり、働きである」

霊界からこういった通信を送り届けられるということはたしかに「高級霊」なのだろう。しかし、地位にも名誉にも財産にも学歴にも無頓着だったと聞く黒住さんが自分で自分のことを「高級霊」というのは「ん?」と思ってしまった。「高級」という単語にある種の「奢り」を感じたわけだが、黒住さんの送った「念」をYさんが翻訳するときに、Yさんの潜在意識が混入したのかもしれないし、また、こちらの世界で一番適切なものを選んだらその単語しかなかったということなのかもしれないと思い直した。

そんなぼくの言葉尻をつつく低俗な感想はともかく、この通信に添えられた静さんの「註」ははるかに次元が高かった。

(「生命の泉」静さんの註より)
「台所で仕事をしていたYさんの横へ、突然銀の十字架が立って黒住の霊身が現れ、この通信が送られてきたのだそうです。あたり一面すばらしい霊波が充ち満ち、霊身も厳粛そのもので、身の引き締まる思いの中で受信したのだそうです。
『金字塔』とは、金の字の形をした塔、ピラミッド、又、後世に伝わるようなすぐれた研究、著作、業績という意味もあるようですが、ここでは、生命とはどういうものなのか、その驚異的な偉力や真実の意味を、どうしても後の世の人々に伝えずにはおれないという強い願いを、『生命の金字塔を立てたい』という表現で言っているのだと思います。
短い通信ですが、全体を総括するものであり、夫の生命に対する畏怖、賛嘆の思いが凝縮されていることを痛感します」

静さんの「註」を読み、ぼくは言葉尻しか目につかなかった自分が恥ずかしくなった。同じものを見たり聞いたりしても受信する側の程度でこうも受け取る内容に違いが出るのである。受信機としてのわが内を磨くこと、本質を映し出す心の目を曇らせないことが重要なのである。志が大事なのである。

そんなことを考えながら「生命の泉」のページを繰ると、この2ヶ月後に届いた通信に目が止まった。

(「黒住さんからの霊界通信、5通目(1985.3.15)」より)
「盲(めしい)たる眼(まなこ)よ、その五感にて何かを掴まんとする」

(つづく)



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