ぼくのスピリチュアル物語 29 「送受信器」


中高生の頃、ぼくはラジオをよく聴いていた。番組に投稿するのも好きで全国放送の深夜番組で読まれたこともあった。番組を聴くときには、チューニングダイヤルで目当ての局の周波数に合わせる。ザーッという電波ノイズがクリアな音声に切りかわる。
発信される周波数に受信器をあわせることで聴くことができるのである。人間もまた様々な周波数を受けることができる受信器、そんなことが黒住さんの12通目の通信には書かれている。

(「黒住さんからの霊界通信、12通目(1985.6.10)」より)
《無数の電波が張り廻らされていてそれを受信する。本当に大変な電波、念派、大変な電波の中にその人の意識は存在する。その人のボディは存在する。高い周波数を受け得る人、低い周波数の電波を受け取る人、様々である。高い周波数をキャッチして、そしてその電波を発信させねばならぬ。ボディの中間媒介の役目が地上人間である。様々の電波を受けて様々に織りなし顕在していく。その責任はあなた方自身であり、また天界に張りめぐらされる周到な計画であり約束である。電磁線の電波を乗り船にして様々のスピリットは働き得る。》
(以上)

この黒住さんの文章自体にも周波数があるのだと思われ、この文章が何を言わんとするのか「ハッキリわかる」、「ボンヤリとわかる」、「何を言っているのかチンプンカンプン」などと、その伝わり方でその人がどの周波数帯域にセッティングされている受信器かが、わかるのではないだろうか。

《様々の電波を受けて様々に織りなし顕在していく。
その責任はあなた方自身であり、
また天界に張りめぐらされる周到な計画であり約束である。》

霊界からの周到な計画のもとに発信されたものをぼくたちはインスピレーションという形で受信しているのだろう。しかし、霊界からの導きとは思わず自分自身の発想と捉え、自分の表現として現実界において形にしようとしているのではないか。

だとすれば、ぼくたちは霊界の操り人形… しかも、《その責任はあなた方自身》
それってどういうこと?

おそらくそのあたりに、人間として肉体を背負い生きてゆく意味があるのだろう。
さて、静さんはどう読み解いているのだろうか。

(静さんの「註」より)
「この宇宙には目に見えない無数の波動が行き交っています。人間も日々の生き様や、時々の思いを通して常に波動を放出している発信器であり、同時に同波長のものを受け取る受信器でもあるわけです。たとえば、怒ったり、憎んだり、恨んだり、というようなよくない思いはみにくい波動を出し、反対に優しく、穏やかで思いやり深いなどの思いはそのまま、良い波動となって他に伝わってゆきます。
生きているということ自体、様々な心もようの波動を出しているということであり、目には見えないけれどもその出している波動によって、お互い同士、常に感化影響され合っているのです。だからよくない思いは自分で良い思いに切りかえて、常に高い周波数のものをキャッチ出来るような受信器になりたいと思います」
(以上)

静さん、曰く
「出している波動によって、お互い同士、常に感化影響され合っている」

ぼくたちは日々周波数の変化する可変式の送受信器らしい。嫌なことが起きれば周波数は荒く(低く)なり、何かハッピーなことがあれば周波数は細やか(高く)になる。初対面でも好感を持つ人はきっと互いの周波数が近く、怖いとか不快に感じる人は周波数が離れているとか、そんな風な現れ方をしているのではないだろうか。

人間関係ばかりでなく、日々の体調、仕事の進捗、将来への不安、そういったことも周波数に影響を与え、様々な要因で上がったり下がったりするのがぼくたちの周波数なのだろうと思う。実にデリケートな送受信器である。

黒住さん、曰く
《高い周波数をキャッチして、そしてその電波を発信させねばならぬ。》

良くない周波数に影響を受けず、逆に、良くない周波数を良い周波数に引き上げられるような強く安定した存在になりたいものである。

(つづく)



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